声に出すという行為は、普段何気なく行っている行為ですよね。
人と会話する時に必ず使う、毎日欠かせないコミュニケーションツールが声です。
では、本を読むときはどうでしょうか?
音読しているよ!という人の方が少ないでしょう。
江戸、明治時代などでは、誰かが音読をして周りの人に聞かせるという習慣があったそうです。また、教育機関である寺子屋などは漢文などを声に出して読み続けることで文章を身体的に学んでいた典型例ですよね。
しかし、現代ではそれをすると「うるさいっ」と周りの人にたしなめられてしまいますから、音読をする機会は小学生で終わったよ!という人は多いと思います。
そんな音読が身近に感じられない今だからこそ、私は音読をする効果も大きいのではと感じています。
東北大学の川島隆太教授が音読と簡単な計算は最高の脳活性方法だと提唱していますが、それ以外の意味も考えてみましょう。
声に出すということは、言葉を発するということですね。
普段使っている言葉がその人を作っているのですから、他の人が考えた言葉を発するということは、「その人の言葉」を拝借していることになるのです。
そこには、自分ではない、他人が考えた言葉を口に出して発する。インプットした上で、アウトプットをしているのです。
この点にこそ、私は音読の意義があるのではないか?と感じるのです。
ずっと自分の言葉でしゃべり続けているだけだと、自分の言葉しか耳に入ってきません。しかし、そこで他人が考えた言葉を使うと、自分ではない人の言葉を感じることができる。そうやって、自分の言葉にも影響され、混ざり合っていく。そうすると、どんどん自分の言葉すらも変わっていく…。
そんないつもとは違う言葉を体全体で味わうことができる方法が音読なのではないでしょうか。
みなさんも、明日から取り入れてみてください。
◆音読について参考になる本◆
・七田先生の右脳に関する本にも、音読の効果がありありと書かれているのでオススメです。