えのもとさんの読書日記

読むことで、思考が広がる。考えが広がる。みなさんに新しい視点を提供します。

日本の働き方は20年後も、大きく変わらない

先日、Kindleでの個人出版の新刊が出ていたので、読んでみました。

 

WORK IN LIFE 今の日本は働き方10.0になっても変わらないと思う

 

タイトルから見て、かなり衝撃的ですよね(笑)

今で働き方3.0?くらいなら、向こう20年くらいは変わらないじゃん!ということです。

 

思わず、「これは、読んでみたい!!」と思いました。

 

では、今回は本書について書評をしていきたいと思います。

結論としては、めちゃくちゃオススメです。。

 

 

日本、このままで大丈夫なの??

まず、著者は現状の日本の状況を憂いています。

その一つとして、

「残業規制をしていても、今の日本人は勉強をする人が少ない」

ということ。

 

これは、肌感覚として実感できると思います。

私自身も、この考えは共感できます。

 

実際に、周囲の人にも

「仕事の勉強なんて、熱心だね」とか

「読書してるんだ!さっすがー!」とか、

勉強または自己啓発をする=すごい人

みたいな風潮があるなと感じています。

 

また、これはある程度の社会地位がある人にも言えること。

 

なんとなく、制度としてあるから、そうなんだ。

考えたことないけど…そんなもんでしょ?

とか、日本は既存の制度に乗っかることは大得意なのです。

 

高度成長の時には、模範が外国にあって、それをなぞるだけも成長できました。

 

でも、今の時代はどの国であっても、経済成長していても、

暗中模索していることが殆ど。

誰もが、先行き不透明な中で、新しい時代を作ろうとしているのです。

むしろ、必要なものは全て出来上がっていて、革新的な何かを必死に求めている。そんな印象を受けます。

 

…ところが、そんな世の中にあっても、日本には

「世界を変える発明」というものが、少ないんです。

 

これは、もはや日本には世界の最前線に立つ土台が貧弱であることを意味します。

 

みんなが使っている検索エンジン、

マイクロソフトもGoogleもsafariも、

アメリカ企業ですからね!

 

私たちの周りにある「きれいなフレーズ」、キャッチコピー大会になってませんか?

本書の中で印象的だった部分で、

企業のキャッチコピーが取り上げられています。

 

世界のために、美しい地球を守るために、

技術で幸せを作る、などの

美しいキャッチコピー大会のよう。

 

本当に、こんなの実現しているのか?と思うキャッチコピーって、多いですよね。

 

でも、キャッチコピーって、経営には必要だけれども、

現場で働いている人にはあまり関係ないことが多い。

 

なぜなら、現場の人は、

ノルマとか売り上げとかコストカットとか、

目に見える指標が全てだから。

 

それが積み重なって、美しいキャッチコピーの世界が実現できるのだとしても。

仮にそうであるとしたら、もっと世界は良くなっていると思いませんか?

 

むしろ、経営の不正が明るみになるスピードが速まっています。

 

タイトルも長い!目次も長い!でも、それが興味をそそる!

そして、本書はタイトルがまず長いですよね。

WORK IN LIFE 今の日本は働き方10.0になっても変わらないと思う

 

タイトルの最後に「~と思う」とついてるので、

感想のようなタイトルです。

 

でも、これも先ほどの「キャッチコピー」の例でみると、

書籍だってタイトルのコピー合戦です。

 

読者にいかに刺さるタイトルにするか、反応させるか。

 

これは私の予想ですが、

綺麗なキャッチコピーではなく、ただ思うことをそのままタイトルにするという手法。

ここにも、著者の拘りが出ていると思いました。

 

そして、目次蘭を見ると、

・オフィスの「大部屋化」はやめて欲しい。Teams大部屋にするからそれで許して笑

・「OO」を着る日本のサラリーマン。実は、就活生にある変化があった

・友達未満、同僚以上。会社で求められているのは「仲間」なんです

…などなど、とても長~いです(笑)

 

でも、何だか気になりませんか??

 

特に、「友達未満、同僚以上」のワードチョイスは秀逸だなあと思いました。

友達以上、恋人未満のような語感を、ここで使ったのか!と。ちなみに、この項目を一番初めに読みました(笑)。

 

漠然と、私たちの頭の中で思ってることを言語化している本

そして最後に、この本を手に取って読むまでに感じたこと。

 

この本は、私たちがうっすら思ってることを、言語化してくれている。

そう思いました。

 

普段、思ってても言わないことって、多いじゃないですか。

 

例えば、

「今の時代、働き方を変えないと云々」

「僕が起業して世界を変えます!」

と言っても、

「え…成功する保証あるの?おとなしくしてなよ」

って返されちゃうことが多い。

 

今の日本は、組織にぶら下がれるかばかり考えて、

自分軸で動いている人って、少ない。

 

結婚にしても、介護問題にしてもそうです。

 

結婚したら挑戦なんてリスクを取るのはやめて!とか、

生んでもらったんだから、孫の顔くらい見せなよとか、

個人の可能性を、理由をつけてつぶす発言が多いんですよね。

 

私自身、そうした発言にウンザリしているので、

「そう言うなら、じゃあ私の将来を保証してくれるの?」

と言っても、誰もそんなものできません。

 

発言するのは、タダですから誰でもできます。

 

ましてや、身近な人であれば、

悩ませることとも分からないで発言をする人が多い。。

 

だから、本当は

SDGsとか環境のためとか少子高齢化に貢献とか、

世の中はきれいごとを言って行動が伴っていないことは、

私たちもうっすら感じてるんです。

 

働き方だって、正社員が一番安定と言われてきたけれど、

今は「逆に奪われるものが多い」ことに、気付いています。

 

だから、正社員というものを捨てて、派遣でキャリアアップをしたり、

個人でフリーランスで働く形態が、増えてきている。

 

減ったものと、増えたもの。

 

人が、どこに流れていくのか?で大体は予想ができるのです。

 

みんな、本当は心のどこかで分かっている。

でも、リスクを負いたくないから。与えられた選択肢を信じていたい。

 

そう思ってる人に、特に本書はオススメです。

 

 

 

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