備忘録とは、忘れたときに備えるための記録である。
書評は、書いたからと言って、全てを記憶しているわけではない。
むしろ、毎日本を読んでいるのだから、
昔読んだものを忘れることもある。
ましてや、読んだ当時に感じていたことなんて、
忘れ切ってしまっているのだ。
忘れるのならば、読まなければいい。
とも言う人がいるが、私はそう思わない。
むしろ、新しいものを読んで、吸収すると、
どうしても古い記憶は薄れていくのが自然なのだと思う。
だから、読んだ時にどう感じていたかを書く。
どんな内容かを、思い出すために書く。
書評をブログにアップすると、当然他の人も読みに来る。
読んだことをきっかけにして、他の人が
「面白そう!」と思ってもらえれば、読書家としてこれ以上の喜びはない。
他の人に読んでもらうのと同時に、書評は未来の自分のための
備忘録でもある。
私は、そう思う。
大学で読書三昧になって、卒業して、
かなり経った今になってようやく、
「あの時の書評、残しておけば良かった」と後悔しているのだ。
知識を吸収しまくる大学生と、社会人経験を経た今とでは、
同じ本でも得られる感想、学ぶことが違ってくるのだ。
そういった記録も、人生の一部だと、
早く気付きたかった。
だから、私は書評を書く。
書評の体を成していなくても、感想になってしまっても、書く。
それは、未来の自分に対する手紙なのだ。
「私はこういうことを積み上げてきたよ!」と両手を挙げてラブレターとして贈る。
そして、まだ見ぬ読者の皆様へ。
書いた書評をきっかけに、
あなたの読書の世界が広がらんことを。
願います。
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ビジネス書を中心に、著者が書き溜めてきた書評をまとめた一冊。
経済学、伝記、古典、人文社会など、ジャンルを広げたい時にオススメ。
また、著者コラムの読書生活を描写しているパートも読み応え抜群だ。