独学大全が大ヒットしてからだろうか?
商業出版でも個人出版でも
〇〇大全という本が増えてきたように思う。
大全とは、百科事典のような鈍器本のことだ。
500ページくらいあれば、大全と名乗っても遜色ないと思う。
……しかし。
やたらと〇〇大全が出版されていて、内容も百科事典に耐えうるものであるかは疑わしい書籍も少なくない。
なぜだろうか??
理由としてあげられるのは、
「〇〇大全」という言葉が「売れる言葉」になってしまったからだ。
X(Twitter)のインプ稼ぎのように、
反応してしまう言葉を入れると見てもらえるし売れる。
しかし、あまりにも多用しすぎるとかえって逆効果になってしまう。
なら、他に名称があるのだろうか?と考えてみるが、
ひとつは「教科書」だと思う。
嫌われる勇気でベストセラーを出した著者・古賀さんが「書く人のための教科書」というコンセプトで出版している。
ライターの教科書ならぬ、「書く人」のための教科書。
書くこととは、作家の専売特許ではなく、
ありふれた行為であるからだ。
書籍の文章を書く、新聞記事を書く、コラムを書く、
メールを書く、メモを書く……
書くという行為は、社会人の基本と言ってもいいくらい、
一般的なビジネススキルなのである。
そんな「書くこと」は必要不可欠なスキルであるにも関わらず、学校で習うこともない。
学校で習うことと言えば、
感想文を書いたり、テストで小論文を書いたりと
問題を解く程度にしか関わっていないのだ。
起承転結とか習うけれど、
肝心の先生も説明できないため、書くことは
独学で勉強することになる。
だからこそ。
著者の古賀先生は「教科書がないなら作ろう」という思いからライターのための教科書を書き上げた。
本文中に執筆の苦悩も赤裸々に語られている。
〇〇大全ほどではないが、教科書と名乗るにも
本当にこれでいいのか?という不安と格闘することになる。
下手に失敗すると、「使えない教科書」と烙印を押されかねないからだ。
実際、著者は書けない日々が続く。
そんななか、「だったら、自分だったらどんな教科書が欲しいだろう?」とコンセプトを変えたのだ。
教科書を書くのも、〇〇大全を書くのも、
難しく、プレッシャーがかかることである。
そんな苦悩の果てに完成したこの教科書は、
ライターも、ブロガーも作家も
必読のバイブルと言えるだろう。
(著者はバイブルはちょっと…と否定している)
◇本文中に紹介した書籍◇
紙で持っている人も、電子でも一冊どうでしょうか?
副読本も出てます。