とりあえず、やってみな。
これほど適当で、無責任だと思うアドバイスはないでしょう。
しかし、私たちは無意識にしてしまっているアドバイスでもあります。
例えば、会社に新入社員が入ってきて、
仕事を教える時。
「やってみないと覚えられないから!ね?安心して!」
これが、意外と何十年もいるベテランであっても
このような指導をされる方は多いです。
なぜこの業務が必要なのか?しているのか?
など、慣れ親しむほど「なぜ」の言語化は難しくなります。
説明をしても、新人さんから見たら
その説明さえも分からない。
でも、自分が新人の頃の感覚なんてとっくに忘れている。
私は、「実際にやってみる」ことほど、難しいことはないと感じます。
自己啓発でも、誰かのアドバイスでも。
やってみなと言うのは簡単。
だけれど、実行するのは難しい。
やってみると言っても、何をやったらいいか分からない。
あれ?こんなに必死に考えるほど、これをやりたいんだっけ?
面倒だから、近道はないかな。
なんて、思考にどんどん向かってしまう。
それ自体は悪い、ということはない。
むしろ、人間として当然の反応だと思う。
ずっと気を張っているということは、高いレベルのストレスを…負荷をかけ続けるということだから。
だからこそ、「やってみる」「体を先に動かす」ということは、難しいのだ。
逆に言えば、それは大きなチャンスでもある。
誰もが怠けてしまって、諦めてしまう人がいるなか、
自分がずっと立ち続けられたら。
それだけで誰よりも先に、前に出ることができる。
仕事を辞める時だって、
心を癒したくて突発的に旅行に行くのだって。
やってみたら、案外「な~んだ」とホッとするのかもしれない。
「やってみることにメリットはあるのか?」
それは、行動した者だけが知る領域である。